おやつばかり食べてドッグフードを食べない時には
犬を始め、動物は体のエネルギー要求量にしたがって食べる量を自分で調整することがあります。そのためおやつばかり与えていると「必要量以上のカロリーをとってしまった」と犬が判断し、食べる量を減らして過剰にとったエネルギーを調整しようとすることがあります。
犬がドッグフードを食べないときは、まずはおやつを与えない、というシンプルな方法から始めてみるのがおすすめです。
ただし、その方法を試しても犬が頑なにドッグフードを食べてくれないときは、以下のような可能性があるため注意してみましょう。
ドッグフードが酸化・劣化している
開封後、時間が経ちすぎたドッグフードは酸化や劣化の影響で香りが変わり、警戒心の強い犬は「今まで食べていたドッグフードと違う」と判断し、口にしてくれないことがあります。また酸化・劣化したフードの匂いが、犬の食欲をそいでしまうこともあります。
おやつを与えないようにしても、頑なにドッグフードを口にしないようならドッグフードの保管状況についても今一度見直してみるのがおすすめです。
また食欲不振が疑われるときは体調を獣医師などに診断してもらい健康かどうかを確かめてもらうようにしましょう。
犬が嫌いな酸味や刺激臭のある食材・成分が含まれている
酸味や刺激臭のある食べ物は腐敗や毒物を連想させやすいせいか、犬が口から吐き出して、食べなくなることがあります。酸味や臭いが強い食べものには柑橘類や葉物類、香辛料やお酢などがあります。
これらの原材料には健康に良い効果が期待できたり、またフードの保存性を高めたりするものがあるため、ドッグフードに使用されていることがあります。
ドッグフードを直接味見して確かめるのはむずかしいですが、もしもフードを食べてくれなくなったら、ドッグフードの原材料欄をよく確認し、酸味や刺激臭のする原材料を使用していないかチェックしてみましょう。
ドッグフードに使われている原材料が動物性より、植物性の食材が多い
ドッグフードよりもおやつを好むのは、おやつに動物由来のタンパク質や脂肪が多く、ドッグフードにそれが少ないせいかもしれません。犬は同じタンパク質含有量なら、植物由来のタンパク質より動物由来のタンパク質が多いほうを好む習性があります。
そのためドッグフードを食べず、おやつしか食べてくれないような場合は、動物性食材が多いものを好んでいるだけかもしれません。
ドッグフードを切り替えるか、おやつを植物由来の原材料を多く使用しているものに切り替えるかしてみて、「おやつよりドッグフードのほうがおいしい」と思わせるのもひとつの方法です。
ドッグフードに飽きてしまった
犬は落ち着いて安定した環境にいるときは、慣れた食べものより新しい食べもの、珍しい食べものに反応しやすいことがあります。逆にストレスの多い環境にいるときは、慣れた食べものをより好みやすくなります。
そのためドッグフードよりもおやつに強い興味を示す場合、それだけ落ち着いて安定した環境で過ごしているということかもしれません。
このケースに当てはまる場合、どんなドッグフードでも同じように続けて与えると食べなくなる可能性があります。
同じ種類のドッグフードで味つけが異なるタイプを常備しておいたり、あらかじめ複数種類の味が用意されている、小分けタイプのドッグフードを選んだりして、工夫してみるようにしましょう。
またおやつばかり食べる場合、体調が原因で食欲が低下している可能性もあります。
原因が単なる嗜好の変化なのか、それとも体調低下なのかをしっかり見極め、もし後者が原因なら獣医師などの専門家にフードの相談も兼ねて体調を診断してもらうようにしてみてください。