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ドッグフードの素材(小麦)

小麦もとうもろこしや米と並び、多くのドッグフードに使用されている素材です。
ただし小麦は昔からドッグフードに使われていたため、小麦アレルギーを持つ犬も多いことが知られており、プレミアムフードなど高価なフードでは避けられやすい素材でもあります。
小麦を含むフードと犬との相性が悪く、アレルギー症状が疑われるような場合には獣医師など専門家に相談し、合わせて適切な食事についても相談してみましょう。

ちなみに小麦は他の穀類と同じように、小麦粉としてだけでなく様々な小麦加工品が使用されることがあります。
何を使用するかによって栄養素が異なり、またフードの特徴も変わってくるためパッケージをよく読んで確認するようにしましょう。

ドッグフードに使われる小麦由来の原材料について

ドッグフードには以下のような小麦加工品が使われることがあります。

・小麦粉/小麦ふすま(小麦ブラン)/小麦胚芽......
小麦の粒は外皮・胚芽・胚乳で構成されており、小麦粉は小麦粒の約8割以上を占める胚乳部分から作られています。
外皮はふすまやブランとも言われ繊維が多く、胚芽にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

・小麦全粒粉......
小麦全粒粉は小麦の胚乳だけでなく、上記のようなふすまや胚芽部分も含まれており、精白した小麦粉よりもビタミン・ミネラル・食物繊維などの様々な栄養素がとれる食材です。
また小麦全粒粉には植物性の色素であるポリフェノールやカロテンも含まれています。

・小麦たんぱく/小麦グルテン......
小麦タンパク質の8割以上は主にグルテンからなっており、中にはでんぷんの吸収速度をゆるやかにしてくれるアルブミンというタンパク質も約1~2割程度含まれています。
小麦タンパク質に含まれるグルテンはアレルギー症状を引き起こしやすいため、小麦アレルギーがある場合は特に注意したい原材料です。

小麦に含まれる栄養について

小麦には約7~8割のでんぷんと約1割程度のタンパク質が含まれており、必須アミノ酸の中ではリジン・メチオニン・スレオニン含有量が少ないという特徴があります。
そのため小麦の多いフードの場合は肉類や豆類などでタンパク質を補ったり、アミノ酸そのものを補ったりする必要があります。

小麦胚芽には食物繊維と共にビタミンやミネラルが多く含まれており、ミネラルではカルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛が豊富です。
ビタミンはビタミンB群とビタミンEが豊富です。

また小麦ふすまはセルロースやヘミセルロース(アラビノキシラン)などの繊維分が多く、小麦胚芽と同様、カルシウムやマグネシウム、鉄に亜鉛、ビタミンB群やビタミンEが含まれています。

小麦ふすまで特徴的なのがフィチン酸が含まれているところです。
フィチン酸は金属(ミネラル)と結合しやすく(キレート化と言います)、ミネラルの吸収を妨げやすい成分だと言われています。
一方、この働きは犬にとって有害な金属にも同様に働くため、フィチン酸は有害金属の除去に役立つ成分としても注目を集めています。

フードから効率的にミネラルをとらせたい時、小麦ふすまは少々心配な原材料ですが、逆にフードからとる有害金属をなるべく減らしたい時には注目すべき原材料になります。
どちらの点に注目するかは犬の体質・体調によっても異なるため、より犬に合うフードを選ぶ時の参考にしてみてください。

最近では小麦などに含まれるグルテンがアレルギーや各種疾患の原因になることから、ドッグフードでもプレミアムフードを中心に小麦を使わないフードが増えてきています。
また犬は人間と暮らすことにより雑食性を獲得した動物ですが、もともとは肉食動物であったことから食事に穀物を使用しない方がいいという、グレインフリーという考え方のフードもあります。

そのためドッグフードに小麦を使用するべきかどうかは、飼い主さんにとっても悩ましい問題のひとつとなる場合があります。
小麦には心配な面もありますが、上記の通り健康維持に役立つ栄養素も含まれているため、犬と小麦との相性をより慎重に確かめながら、取り入れるべきかどうか検討してみてください。

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