ドッグフードの素材(七面鳥(ターキー))
七面鳥・ターキーは脂肪が少ないため、肥満予防のフードや低脂肪フードの食材としてよくドッグフードに使われています。ただし七面鳥・ターキーは日本では食用肉としての流通が少ないため、味や栄養面などわからないことも多い食材です。
七面鳥・ターキーには以下のような特徴があります。
脂肪酸
七面鳥は脂肪が少なくタンパク質が豊富で、筋肉部位の中では大胸筋が発達しているため胸肉が多く、鶏肉で例えると皮なしの胸肉やささみのような低脂肪・高タンパク質な食材です。脂肪酸の含有量は飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸が並んで多く、次いで一価不飽和脂肪酸が多く、多価不飽和脂肪酸の含有量ではオメガ6系のリノール酸が最も多く含まれています。
飽和脂肪酸だけでなく多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸も同程度含まれており、脂肪酸のバランスが良い食材です。
タンパク質
七面鳥は鶏肉と同様アミノ酸がバランス良く含まれており、タンパク質の量は100g中約20g程度含まれています。七面鳥は特別な日に出されるごちそうとしてのイメージが高い鳥類ですが、上記の通り低脂質で低カロリーでありながら、タンパク質が豊富なため、健康志向の高いアメリカでは日常の食用肉としても使われることが増えてきているようです。
また近年、人間に役立つ栄養成分として七面鳥に含まれるβアラニンと呼ばれるアミノ酸のひとつが、筋肉中にカルノシンと呼ばれる物質を増やすことがわかり注目を集めています。
カルノシンは筋肉が疲労した時にたまる乳酸を中和してくれるため、疲労を緩和してくれて動きやすい体の維持に役立つ成分で、犬の栄養食品やサプリメントなどでも注目を集めている成分です。
βアラニンが犬でも同様にカルノシンを増やしてくれるのかはわかりませんが、肥満が気になる犬だけでなく、活発で運動量が多い犬の疲労回復にも七面鳥は向いている素材かもしれません。
ただし、このように七面鳥は健康志向が高い人に取り入れられることが多く、健康にいいというイメージが強いせいか、アレルギー対応用フードの素材に使われることもあります。
七面鳥は鶏肉・チキンにアレルギーがある犬の場合、交差反応を起こしやすい素材なので注意が必要です。
アレルギーにかかった場合は、必ず獣医師など栄養に詳しい専門家に食事相談を行ってからフードを選ぶようにしましょう。
ビタミンとミネラル
ビタミンについては皮なしの鶏むね肉・ささみに比べてビタミンB2やビタミンB6が多く、ミネラルに関しては鉄分が多いという特徴があります。特に鉄分に関しては鶏むね肉とささみの2~3倍以上含まれており、鉄分の多い牛肉(脂身つき)と同程度です。
犬の食いつきの良さ
七面鳥はドッグフードの食材としても使われることが近年増えてきており、犬用おやつでは七面鳥のすじを乾燥させたジャーキータイプがよく出回っています。七面鳥は脂肪が少ないため、犬の食いつきが極端に良くなる素材ではないですが、七面鳥には鶏にはない独特の風味があり、この風味が犬の食いつきをよくしてくれることがあるようです。
七面鳥は日本ではあまりなじみのない素材ですが、ドッグフードの素材としてはあまり珍しくない素材になりつつあり、様々なメーカーからターキーを素材にしたフードが販売されています。
まずはサンプルなどで犬の食いつきやフードとの相性を確かめてみて、ターキーが体質・体調、犬の好みに合うか確認してみましょう。