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ドッグフードの保存料(ソルビン酸)

水分含有量の多いセミモイストタイプやソフトドライのドッグフードで、カビや細菌の繁殖を防ぐために添加されることがあるのがソルビン酸です。

ソルビン酸は犬の健康に影響を与える添加物としての報告がなく、健康に影響を与えない最大摂取量についてもまだわかっていません。
またドッグフードではソルビン酸を通常量を超えて使用することは考えられないことから、基準値などは設けられていない状態となっています。

ソルビン酸は不飽和脂肪酸の仲間

ソルビン酸は不飽和脂肪酸で、自然の中ではナナカマドの未熟な実に含まれている脂肪酸で、食用の動植物に含まれているかどうかはわかっていない成分です。
不飽和脂肪酸なので紫外線やフードに含まれている他の成分と反応しやすく、不安定な性質があります。

またソルビン酸と同じような名前の添加物にはソルビン酸カリウムがあります。
ソルビン酸は水に溶けにくい成分ですが、ソルビン酸カリウムはカリウム塩にしてあるため水溶性の性質を持っています。

ソルビン酸と反応しやすい成分

反応しやすい成分としてはアミノ酸のシステイン、シスチン、第二鉄塩、ヒスチジンがあり、これらとソルビン酸とが同時に存在するとソルビン酸が分解されやすくなると言われています。
逆にソルビン酸の分解を抑制する成分としては、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、BHTなどの酸化防止剤があります。

ソルビン酸が分解されると抗菌力が維持しにくくなると言われているため、ソルビン酸が添加されているフードでは他の成分についてもチェックしてみるようにしましょう。

ソルビン酸と亜硝酸について

ソルビン酸は亜硝酸と反応すると、突然変異原性物質であるニトロソソルビン酸が生成されることが知られており、この物質は発がん性があると指摘されています。
そのためソルビン酸と亜硝酸とが同時に存在するフードを犬に与える場合は、注意が必要です。

亜硝酸と反応を起こしやすい成分は他にも多々あり、ニトロソ化と呼ばれる反応を起こすことで有害物質・ニトロソ化合物を作ることが知られています。

この反応は植物成分に含まれるポリフェノールや酸化防止剤で抑制することができるという報告もあるため、亜硝酸を含むフードを選ぶ場合は、その他の成分もよくチェックするようにしてみましょう。

ソルビン酸の抗菌力について

ソルビン酸の殺菌効果はあまり強くなく、抗菌力に関してはあまり強い成分ではありませんが、カビや細菌の広範囲に働きかけて発育を阻止する効果があると言われています。
またこの効果は酸性の状態でよく働き、中性や弱アルカリ性の環境では働きにくいことが知られています。

そのためソルビン酸が使用されている場合、ソルビン酸の抗菌力を維持できる酸性の環境を長く維持するために、pH調整剤が使用されていることがあります。

ソルビン酸が働く菌と働かない菌

ソルビン酸は乳酸菌に対しての作用が弱く、食中毒菌などは抑制しつつも乳酸菌が生存するような環境を作ることができるため、この性質を食肉製品や乳酸菌飲料などで利用していることがあります。

ソルビン酸は保存料の中では非常に効果が弱く、安全性が高いと言われる添加物ですが長期で与え続けることによって腸内細菌に影響を与えるのではないかと危険視している専門家もいます。
そのため与えても安全かどうかは長期的な目線で犬の体調をよく観察する必要があると言えます。

ソルビン酸は水分含有量が多いフードに使われやすい傾向があるため、気になる場合は水分含有量の少ないドライフードの中から犬との相性が良いものを選ぶと良いでしょう。

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