ドッグフードの着色料(黄色4号(タートラジン))
黄色4号は世界中で広く使用され比較的安全性が高いと考えられている合成着色料で、アゾ系と呼ばれる種類の色素です。黄色4号の性質について
黄色4号は光や熱、酸に対しても安定しており、その他の条件にも強く利用しやすいため、生産量も多く、広範囲の食品に使用されています。アゾ系の色素には、黄色4号以外に赤色2号(アマランス)、赤色102号(ニューコクシン)、黄色5号(サンセットイエローFCF)があり、これらアゾ系色素は腸内細菌や肝臓によって分解されることがわかっています。
黄色4号の毒性について
アゾ系色素は腸内細菌や肝臓などによって分解されると毒性をもつ芳香族アミンを生成することがあり、特に黄色4号の腸内細菌による分解による生成物は、アスピリン不耐症や喘息などの症状に関係しているのではないかと言われています。解熱鎮痛剤であるアスピリンに対して過敏に反応する人では、黄色4号にも過敏になりやすいと言われており、タートラジンを含む食品を摂取することで発作を起こすこともあるようです。
犬で同様のことが起こるかどうかは不明ですが、万が一のために覚えておきたい内容です。
黄色4号とADHD
また上記のアゾ系色素は人間の場合、安息香酸ナトリウムと同時に摂取した場合に注意欠陥・多動性障害(ADHD)との関連性が見られるという報告があり、ヨーロッパでは「注意欠陥多動性障害に影響するかもしれない」という表示がされるようになっています。犬とADHD
近年、人間だけでなく犬にもADHDと同じような多動障害と呼ばれる症状が起こることがわかっています。上記のようにアゾ系色素と安息香酸ナトリウムとの同時摂取と、犬の多動障害とに関連性があるかどうかは不明ですが、人間のADHDについて調べる研究に犬が調査対象として選ばれることもあるため、念のため覚えておきたい内容と言えます。
犬の食事と着色料
現在、添加物として使用できる合成着色料は安全性が認められており、有害性についてはあまり心配がいらないと考えられていますが、上記のように健康への影響が不明な部分も多くあります。また犬は色の識別能力があまり高くなく、赤については認識できず灰色に見えており、認識できるのは青や緑、黄色や紫などの色だと考えられています。
そのため食事については色味をあまり重要視しておらず、犬が食べ物を選ぶ上で重要視しているのは匂い>食感>味覚の順だと考えられています。
犬は匂いを重要視するため、フードを変えると警戒心を示して食べなくなることがあり、もともと着色料を使用したフードを与えている場合は切り替えに苦労することもあるかもしれませんが、着色料は犬にとって有用性があまりないため、避けるのが無難な添加物と言えます。
犬の食いつきを良くするにはトッピングを使用してみたり、相性のいいフードを探したりすることで改善する場合もあるため、日頃から犬にとってより良いと思われるフードを探すようにして与えるようにしてみましょう。