ドッグフードの素材(小豆)
小豆は大豆と並んで、豆そのものや加工食品などがスーパーでもよく売られており身近な豆類のひとつですが、ドッグフードにはあまり用いられることがなく、雑穀のひとつとして取り入れられていたり、犬用のおやつに使われていたりすることの多い豆です。雑穀は米や小麦などの穀物アレルギーを持つ犬に人気のある食材で、ビタミンB群やミネラル、食物繊維が豊富なことから健康的な食材として見直されてきています。
小豆そのものには、以下のような特徴があります。
炭水化物と食物繊維が多い
小豆は豆類の中でも炭水化物が多いグループに属しており、いんげんまめやひよこ豆、れんず豆などと共にドッグフードの炭水化物源として使用されることがあります。小豆に含まれる炭水化物中の約6割はでんぷんで、フードのエネルギー源として、あるいはフードをまとまりやすくしてくれるつなぎ役としても優れています。
また小豆は豆類の中でも食物繊維が豊富で、特に不溶性食物繊維を豊富に含んでいます。
不溶性食物繊維は腸の中でとどまりやすいため、フードの腹持ちを良くしてくれたり、腸を刺激してぜん動運動を活発にしてくれたりします。
小豆に含まれるタンパク質について
小豆には約2割程度のタンパク質が含まれており、その内約8割程度を占めているのがグロブリンと呼ばれるタンパク質です。その他にはアルブミン、グルテリン、プロラミンなどのタンパク質が含まれています。
アミノ酸は他の豆類と同様、米や小麦では不足しがちなリジンを多く含んでおり、米や小麦と組み合わせることで必須アミノ酸を補いやすくなっています。
小豆に含まれる栄養について
小豆には疲労回復に効果的なビタミンB1と、皮膚や粘膜の健康維持に必要なB2が豊富に含まれています。そのため小豆は昔からビタミンAやCを豊富に含むカボチャと一緒に、従兄弟煮にして食べるという風習があり、冬場のビタミン補給源として重宝されてきた歴史があります。
また小豆に含まれている栄養素で有名なのがサポニンと呼ばれる成分です。
このサポニンには利尿作用があることが知られており、また小豆にはカリウムが多く含まれていることから、小豆はむくみに効果的な食材として今でもよく利用されています。
また小豆のサポニンに溶血作用があり、その他には血糖値の上昇を抑制する作用があることもよく知られています。
その他、小豆に含まれるフラボノイドやポリフェノールには抗酸化作用があり、小豆が健康にいいと言われる所以には事欠かないほど、小豆には健康維持に役立つ成分がたくさん含まれています。
ただし小豆だけに限らず他の豆類でもそうですが、犬は豆類との相性が良くない場合があり、豆類を食べると嘔吐や下痢を起こす犬もいるようです。
そのため犬と小豆との相性が良くないと感じた場合は、フードを見直したり、獣医師などの専門家に体調や食事について相談したりするのがお勧めです。