ドッグフードの成分表示(粗繊維)
ドッグフードの成分表示欄に記載されている「粗繊維」では、食物繊維に加えて、分析に使用する酸やアルカリに溶けないケラチンのようなものも含まれた値になっています。そのため頭に「粗」という言葉を添えて、ドッグフード中の繊維量を表示しています。
またこの成分表示は義務づけられているため、どのドッグフードにも必ず表示されています。
ドッグフードの成分表示で義務付けられているのは粗繊維の他に、粗タンパク質、粗脂質、粗灰分、水分があります。
成分表示はドッグフードが犬の体調・体質に合うフードか、確かめるための重要な情報源です。
ドッグフードを購入する時は必ず目を通し、そのドッグフードの大まかな特徴や犬の体質に合うかどうか知る目安として参考にしてみましょう。
粗繊維の「以下」の意味
ドッグフードの成分表示には「以上」や「以下」の表記もあります。犬にとって重要な栄養であるタンパク質と脂質に関しては、最低保証成分をあらわすために「以上」と表記されていますが、粗繊維に関しては多すぎるとカロリーが低下したり、他の栄養を吸収できなくなったりする恐れがあることから上限値をあらわす必要があり、最大含有量をあらわす「以下」という表記が採用されています。
粗繊維の材料になる食材
食物繊維は主に2種類あり、水に溶けにくい不溶性と、水に溶けやすい水溶性とがあります。不溶性食物繊維は水分を吸ってお腹の中でふくらむため、フードの腹持ちを良くしてくれたり、また腸を刺激することで腸の蠕動運動を活発にしてくれたりします。
また水溶性食物繊維は水分に溶けやすい食物繊維で粘りがあり、フードの腹持ちを良くしてくれるのはもちろん、フード中の糖分やコレステロールをゆるやかに消化・吸収するのに役立っている成分です。
ドッグフードに使われている原材料で、食物繊維源となる食材には以下のようなものがあります。
不溶性食物繊維が多い原材料......
さとうだいこん(ビートファイバー、ビートパルプ)、おから、大豆、えんどう豆、セルロース、米ぬか、小麦ふすまなど
水溶性食物繊維が多い原材料......
さとうだいこん(ビートファイバー、ビートパルプ)、トマト繊維、大豆、大麦、小麦、オートミールなど
中でもドッグフードに食物繊維源として、よく使われているのがさとうだいこん(ビートファイバー、ビートパルプ)です。
さとうだいこんはビートやてんさいとも呼ばれ、主に砂糖をとるために育てられている作物です。
ドッグフードでは、このさとうだいこんの葉や搾りかす(ビートファイバー、ビートパルプ)が食物繊維源として使用されています。
ビートファイバー・ビートパルプは80%程度の食物繊維を含む原材料で、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の割合は大まかに3:1程度です。
保水性・保油性・膨潤性に優れた原材料でフードの腹持ちを良くしてくれ、整腸作用もあるためドッグフードによく使用されています。
食物繊維はフードの腹持ちを良くしてくれますが、摂取量が多すぎると逆に便秘になったり、食物繊維の種類が犬の体質に合わなかったりすることもあります。
食物繊維の成分量は、フードと犬との相性を確かめるために大変参考になるため、与えた後の糞便の様子やトイレの回数などに変わりがないかなどを確かめて、犬にとって最適だと思われる食物繊維量を確かめてみるようにしましょう。