ライフステージ別ドッグフード(高齢犬用)の特徴
高齢犬用のフードは、成犬用よりもさらに細かく種類が分かれています。高齢になると様々な疾患にかかりやすく、また消化能力や体力にも衰えが出てきたり、活動量が少なくなってきたりするため、それぞれ犬の体調に合わせてより厳密にフードを選ぶ必要が出てくるからです。
そのため高齢犬用のフードを選ぶ場合は、獣医師や犬の栄養に詳しい専門家などに意見を聞いてみてから選ぶようにするのがお勧めです。
病気になった場合は高齢犬用ではなく、獣医師の処方による療法食が勧められる場合もあるため、まずは犬の体調を優先し、それに合ったフードを選んで与えるようにしましょう。
高齢犬用フードには以下のような種類のものがあります。
体重管理用フード
高齢になると眠る時間が増え、活動量が少なくなることがあります。また消化能力が衰えて必要な栄養やカロリーを吸収しにくくなることから、それ補うためにたくさん食べすぎたり、逆に食欲の衰えによって食が細くなってしまったりすることがあります。
そんな犬のために適切な栄養やカロリーを補給し、肥満予防もしくは痩身を予防できるよう作られているのが体重管理用フードです。
たくさん食べ過ぎる犬には肥満予防のためカロリーが控えめに設計されているフードがあります。
逆に少食気味な犬に向けて、少量でも必要な栄養とカロリーが補えて、かつ痩身を予防するために栄養密度が高く、高カロリーに設計されているものがあります。
目的が肥満の予防か痩身の予防かで内容が大きく変わるため、パッケージをよく読み、専門家の意見を聞きながら犬に合ったものを選んであげましょう。
消化しやすさにこだわったフード
高齢犬は消化能力が衰えることがあり、適切な栄養やカロリーをフードからきちんと摂取できなくなることがあります。そのような犬のために、消化のしやすさにこだわって作られた高齢犬用フードもあります。
消化しやすいフードには、以下のような特徴があります。
・タンパク質をアミノ酸もしくはペプチドまで分解し、吸収しやすくしてあるもの
・水分含有量を多くし、消化吸収しやすくしてあるもの
・消化しにくい食材を細かく粉砕し、流動食状にしてあるもの
・喉越しが良くなるよう、とろみをつけてあるもの
食べやすく消化しやすいフードなら、消化能力や歯やあごに衰えが出てきても犬の食いつき方を安定させやすくなります。
食べ方や糞便の様子をよく観察しながら、犬が食べやすそうなものを選んで与えるようにしましょう。
健康な糞便排出をサポートするフード
高齢になると足腰や消化管が衰えることによって、犬が便秘気味になることがあります。異常な糞便の裏には病気が隠れていることもあるため、気になる場合は獣医師に相談する必要があります。
高齢犬がかかりやすい便秘を予防する意味で、高齢犬用フードには食物繊維や乳酸菌、オリゴ糖などを配合し、腸内環境に配慮して作られているものがあります。
骨や関節の健康維持用フード
高齢犬は活動量が少なくなり、消化能力の衰えや各種疾患などが相まって骨や関節に疾患を抱えやすくなることがあります。そのような犬のために、骨や関節に良いとされている特別な栄養素を配合していたり、骨や関節に負荷をかけないよう肥満予防のため低カロリーに設計されていたり、適切なミネラルバランスに配慮して作られていたりする骨や関節維持用の高齢犬用フードもあります。
噛む力が衰えた高齢犬のためのフード
高齢犬に発現しやすい問題に、噛む力の衰えがあります。噛む力が衰えるとフードを丸飲みしがちになり、フードを消化吸収しにくくなったり、また噛まないことによって歯に歯垢がつきやすくなったりします。
そんな高齢犬のために、噛まなくても食べられるようフードの食感を柔らかくしたり、一般的な発泡状フードを砕き、クランブル状にして丸飲みしても問題がないようにしたりして作られているフードがあります。
また歯垢予防のため、高齢犬でもしっかり噛めるように、歯に粒が引っかかりやすくなる形に作られているフードもあります。
上記以外にも、高齢犬用フードには様々な種類のものがあります。
高齢犬用フードはフードごとに目的も配合されている栄養素やカロリーも異なるため、現在の犬の体調や体質をよく把握しないまま選んでしまうと、健康維持のために与えていたフードが却って逆効果になる可能性もあります。
高齢犬用フードを選ぶ場合はなるべく健康チェックを受け、獣医師や犬の栄養に詳しい専門家に意見を聞いてから適切なフードを選ぶようにしましょう。
また犬の体調や食べ方、糞尿の様子を日頃からしっかり観察し、フードと犬の相性を確かめる癖をつけておくのもお勧めです。