ドッグフードの着色料(赤色104号(フロキシン))
赤色104号は昭和23年に食品添加物に指定された合成着色料で、キサンチン系と呼ばれる種類の着色料です。赤色104号は酸性の環境に弱く、紫外線にも極めて弱いことが知られており、酸性の環境に置かれると、速やかに無色透明になる性質があります。
またアルカリ性の環境にも弱い性質があり、安定性の低い合成着色料です。
赤色104号の危険性について
赤色104号は有機塩素化合物であるテトラクロロ無水フタル酸(TCPA)と、レゾルシンから合成されています。TCPAは人や生態系に対して有害性のある物質(POPs)に指定されている、ヘキサクロロベンゼンを含んでおり、赤色104号にもこの物質が混入する可能性があると言われています。
ヘキサクロロベンゼンについて
ヘキサクロロベンゼンは発がん性を持つ物質で、自然に分解されにくいため人体や生態系に影響を及ぼす残留性有機汚染物質に指定されています。脂肪に溶けやすく蓄積しやすいため、食物連鎖の上位にいる動物ほど影響を受けやすいと言われています。
ヘキサクロロベンゼンの低減対策について
赤色104号の材料には上記ヘキサクロロベンゼンを含むため、タール色素製造業者には赤色104号を製造する際に、このヘキサクロロベンゼンが限度値20ppmになるような低減化対策や自主基準の制定が求められています。また添加物公定書においても赤色104号に含まれるヘキサクロロベンゼン含有量は5μg/g以下になるよう定められています。
赤色104号の吸収・排泄について
赤色104号は非常に吸収しにくく、食べたもののほとんどが便から排泄されると言われています。また大量に摂取したとしても体内濃度が増加することは少なく、筋肉や脳に分布する量も極めて少ないという報告があります。
犬と赤色着色料について
上記のように赤色104号は摂取しても問題がないよう国や事業者によって対策が行われており、排泄されやすいことから問題がないとされている着色料です。ただし犬は人間ほど視覚が発達しておらず、赤色については認識できず灰色に見えていると考えられています。
そのため赤色着色料入りのフードは犬のためというよりも、そのフードを購入する人間のために添加されているといってよいでしょう。
また赤色104号は有害物質が含まれている恐れがある着色料です。
人間用のお菓子やスナックとは異なり、ドッグフードは毎日毎食与える食品なので問題がないとはいえ、体に蓄積されやすい微量な有害物質が含まれていることは消費者にとってやはり気になる内容と言えます。
赤色着色料は犬の健康を維持するためにあえてとるべき物質ではないと考えられるため、着色料使用のフードしか食べてくれないケースを除いて、なるべくなら着色料不使用のフードを選ぶのがおすすめです。
日頃から色々なフードを試してみて選択肢を増やすようにし、犬にとって一番良いと思えるフードを探してみましょう。