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ドッグフードの素材(カツオ)

キャットフードではよく使われる素材ながら、ドッグフードの原材料表示ではあまり見かけないのがカツオです。
ただしカツオには旨み成分が多いため、犬の食いつきを良くするためにドッグフードでもカツオエキスやかつお節などが使われることがあります。

またカツオには以下のような栄養素もあり、ドッグフードのメインのタンパク質源に選ばれることもあります。

カツオに含まれる脂肪酸について

日本近海でとれるカツオはとる時期によって脂質の量が異なることが知られており、春にとれる初鰹は脂身が少なくさっぱりとしているのに対し、秋にとれる戻り鰹は脂質が多く、旨みが多いという特徴があります。
春カツオに比較して秋のカツオは脂質量が10倍ほど多くなっています。

カツオの脂肪酸の特徴は、必須脂肪酸である多価不飽和脂肪酸が飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸よりも多く含まれていることで、オメガ3系の脂肪酸DHA・EPA共に豊富に含まれています。
上記のようにカツオはとれる時期によって脂質の量が変わるため、DHAやEPAが豊富なカツオのフードを探しているなら戻り鰹を使用したフードがお勧めです。

カツオに含まれるタンパク質について

カツオはタンパク質も豊富な魚で可食部中に約25%タンパク質が含まれています。
ただしカツオは赤身魚なので、アレルギー様症状を引き起こす物質・ヒスタミンの材料になるアミノ酸・ヒスチジンも多いという特徴があります。

ヒスタミンはヒスタミン産生菌によって作られ、水揚げ後に冷凍保存されるカツオではあまり心配する必要はありませんが、この冷凍技術が浸透していない国からカツオを輸入した場合や、水揚げ後にきちんと冷凍保存してあっても不適切な調理や保存を行った場合にはヒスタミンが蓄積される可能性もあるため注意が必要です。

一方、カツオに含まれるタンパク質で健康効果が期待されているのが、カルノシンやアンセリンと呼ばれる、アミノ酸が結合したペプチド(イミダゾールジペプチドと言います)の一種です。
カルノシンとアンセリンは鳥類の胸肉や遊泳能力の高いマグロやカツオなどの筋肉に多く含まれている成分で、抗酸化作用があることから疲労回復効果が期待されている成分です。
カツオは夏場の疲労回復やスタミナ源にぴったりな食材です。

カツオに含まれるビタミンやミネラルについて

カツオは血液の材料になる鉄分が豊富な魚で、身近な生鮮魚の中ではトップクラスの含有量を持っています。
また秋にとれる戻り鰹には甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素と抗酸化作用のあるセレンも豊富に含まれています。

またビタミンでは血液を作るのに欠かせないビタミンB12が多く含まれており、エネルギー産生に必要なビタミンB群も含まれているため、カツオは豚肉と同様、疲労回復に効果的な食材だと言われています。

カツオは主にキャットフードに使われることが多く、ドッグフードではフードの嗜好性を高めるため、一部のフードでエキスやかつお節などを少量使うにとどまることが多い魚ですが、上記の通り様々な栄養素が摂取できることからプレミアムフードではカツオをメインに使用したドッグフードも徐々に現れてきています。

犬の体質・体調に合わない可能性もありますが、カツオは旨み成分も多く、犬もよく食いつくため、日々の食事やフードのトッピングとしてカツオも食材の一つに加えてみるといいかもしれません。

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