ドッグフードは1日何回あげればいいのか
1日に必要な食事回数は人間の食事でも意見がわかれる内容で、1日3回が適切だという専門家もいれば、健康のためには1日1~2回がいい、あるいは複数回にわけてとったほうがいいという専門家もいます。犬も同様で1日に与える回数についてはさまざまな意見があり、一般的には1日1~2回だといわれています。
ただし空腹期の消化管運動をうながして消化管内をしっかり掃除し、次の食事の消化に必要な分泌物をしっかり用意しておくためには1日1回が理想だといわれています。
逆に消化器官が十分に発達していない子犬や、肥満傾向の犬、食欲が旺盛で食べ過ぎ傾向がある犬は1日複数回にわけて与えたほうがいいといわれています。
犬は食い溜めができる
犬の1日の食事回数は上記の通り、体調や体質によっても異なりますが、一般的に犬は食い溜めができる動物だといわれています。犬の祖先はライオンや狼のような、群れで獲物を追い捕食する動物だったため、大型動物を狩ってわけあっていたと考えられているからです。
小型の動物を獲物としてきた猫では、一匹の獲物からとれる栄養が少ないため狩りの回数を増やす必要があり、1日に何回も食事をとらなくてはなりませんでした。
一方、大型動物を獲物にしてきた動物は毎日獲物がとれる保証がないため、一回に食べる量を増やし、食い溜めしていたと考えられています。
そのため祖先が群れで狩りをしていた犬も、同じように一回にとる食事量が多く、ため食いできる習性を持っていると考えられています。
食べものが豊富な場合は、1日複数回食べることも
ただし食べものが少ない環境ではなく、食べものが豊富にある環境で育った犬は、少量ずつを1日複数回にわけて食事をとることがあるといわれています。この行動は栄養上のメリットがあるからだと考えられており、肥満を避けるための自然な行動だという説もあります。
さらに1日1~2回の食事を規則的に与え続けた場合、条件反射が成立して一定の時間になると消化分泌物が増え、消化管活動が活発になるため消化吸収が良くなり、栄養も吸収しやすくなるため肥満になりやすいという専門家もいます。
体質や体調によって、食事回数を決めよう
上記のことからドッグフードは一般的には1日1~2回、また肥満傾向のある犬や、消化器が未発達な子犬では1日複数回にわけて与えるのがよいといわれています。ただしこの例にあてはまらない犬もいます。
たとえば胆汁症候群と呼ばれる犬は、空腹時間を長く置くと胆汁が逆流し嘔吐してしまうことがあるため、獣医師から1日の食事回数を増やし、空腹時間を短くすることがすすめられます。
また各種疾患があり食事療法が必要な犬は、食事の内容だけでなく食事回数も調整が必要になり、獣医師から変更をすすめられる場合があります。
健康な犬であれば1日1回、あるいは朝・夕の1日2回与えればよいですが、犬の体調に異常がある時は食事回数の調整が必要になる場合があるため、獣医師に相談して回数を決めるようにしましょう。