ドッグフードの原産国(中国)
日本でペットフード安全法施工のきっかけになった、ペットフードへのメラミン混入事件が中国産フードで起こったことから、事件から年数が経った今でも中国産フードへの消費者の関心は高いのが現状です。また近年、原因ははっきりとはわかっていませんが、アメリカで中国産ジャーキーを食べた犬が多く亡くなり、または病気になるという事件が発生し、アメリカの大手ペットフード会社では中国製品の販売を中止するという事態も発生しています。
中には中国産の原材料を使用していない(チャイナフリー)を謳うことが、ドッグフードの安全性を証明する根拠として広告に使用されていることもあります。
日本では中国産のドッグフードはドライ製品ではあまり見かけることがありませんが、ウェット製品やおやつ、トッピング用フードでは中国産のものがよく販売されています。
上記のような事件や経緯があると、中国産フードへの消費者の懸念を完全に拭い去るのは難しいですが、中にはISO22000など国際的な食品衛生基準を満たす工場で製造されているフードもあり「中国産だから危険」とはひとくくりにできない現状もあります。
中国産のドッグフードをどう考えるべきか迷ったら、以下のような点をクリアしている商品かどうかを確認して選ぶようにしましょう。
残留農薬や環境汚染、微生物汚染の懸念がある食材を使用していないフードを選ぶ
中国食品の危険性としてよく取り上げられるのが、残留農薬問題と環境汚染問題です。ペットフードは、ペットフード安全法によって残留農薬や汚染物質の基準・規格を守って製造するよう決められており、また使用する原材料についても有害な物質を含んでいないもの、病原微生物に汚染されていないもの、またこれらの疑いがある原材料は用いてはならないことが定められています。
そのためペットフード安全法の規定内で製造されていれば、中国産であっても国産・その他海外国産であっても条件は同じとなり、犬にとって危険な物質が含まれていないフードとなります。
ただし犬に与えた時の危険性が十分にはわかっていない物質がある以上、フードに含まれる残留農薬や汚染物質、微生物汚染のリスクは常に頭に入れておきたい問題です。
少しでも輸入フードに不安がある場合は、以下の点がクリアな業者からフードを購入するようにするのがお勧めです。
・フード業者が責任を持って現地の原材料生産者やフード生産工場に対し、残留農薬や環境汚染問題、微生物汚染についての知識普及や技術指導を行っていること
・もしくは国際的な食品衛生システムであるISO22000やHACCPなどの認証を取得している工場でフードが作られていること
上記のような姿勢のあるフード会社であれば、中国産であっても他の国が製造したフードより安心できる場合もあります。
まずは消費者に対して、自社で製造しているフードの情報をより多く公開している業者から、少しでも安心材料の多いフードを購入するようにしましょう。
定期的にリコール情報を入手する
ペットフードに何か問題が発生した場合はもちろん、被害が発生するリスクが考えられるペットフードは、フード業者が製品を回収し、商品交換や返金対応を行う場合があります。またこれらのリコール情報は、広く周知することが必要になるため、消費者でもインターネットなどから簡単に検索できるようになっています。
またリコールがあったフードについて、回収・交換・返金対応のためにフード販売店などからお知らせが来ることもあります。
リコール情報は、ペットフード製造・販売においてどんな問題が発生しやすいかがわかりやすく、また現在与えているフードに問題がないかを知ることができる貴重な情報です。
なるべく定期的にチェックして安心材料を増やしておくようにしましょう。
過去の事例から、中国産フードに対する消費者の懸念は大きくなる一方で、その事例を糧にして安全なフード作りを進めている企業も存在します。
中国産に限らず、どの国のフードを購入する場合でも、ドッグフードを選ぶ時は様々な情報を入手し、少しでも安心できるところから購入するようにしましょう。