安いドッグフードは粗悪品の可能性がある
ドッグフードは安価でありながら手間をかけずにあたえられ、かつ犬が健康を維持するために必要な栄養素がとれる犬用食品です。ドッグフードは人間用の食品と同様、もしくはそれ以上に、価格の安さが重要視されやすい傾向があり、実際に価格の安い商品に人気が集まる傾向もあります。
ただし販売価格を安くするためには使用する原材料もそれなりに、安価なものを使用せざるをえなくなります。
安価な原材料に頼ったフードでは、つねに以下のような心配があることはおぼえておきましょう。
ドッグフードに使用されやすい安価な原材料
ドッグフードに使用する価格の安い原材料には、一般的に人間が食用にできない食材の非可食部分や、あるいは加工食品の製造途中に出る商品にはならない部分など、いわゆる「副産物」と呼ばれる原材料が使用されていることがあります。たとえば肉類なら鶏や豚の骨や内臓、血液、鶏の羽根などがフードの原材料に使用されることもあります。
また穀物なら精白するときに出る糠の部分、豆類なら油脂をとりだした後の脱脂大豆などがよく使用されています。
残留農薬や有害物質、異物混入のリスクが高い
上記の原材料は可食部にはない栄養素(タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維など)が豊富に含まれており、ドッグフードの原材料としてすぐれた特徴も持っています。ただし捨てるはずのそれら原材料には、残留農薬や有害物質、異物の混入などの心配がつねにつきまとい、消費者にとって不安材料が多い一面があります。
安価なフードほど添加物の使用が多い
また安価なフードの傾向として、フードの見た目をよくする着色料、犬の食いつきをよくする香料、フードの日持ちをより長くする保存料、pH調整剤、酸化防止剤など、配合する添加物の種類が多い特徴があります。ドッグフードも人間の食品と同様「安さ」「おいしさ」「見た目の良さ」「簡単・便利さ」が、購入する人の決め手になることがあります。
添加物は食材に多くを頼らず、上記の要素を実現してくれるため、比較的安価なフードでは添加物を使用してフードの魅力をより高めていることがあります。
添加物は単体のリスクだけでなく、相乗効果によるリスクも
添加物は単体では安全性を確認されている物質ですが、添加物同士が反応しあうことによりできる有害物質については、まだ確認されていない部分も多くあります。また最近では添加物を微生物が分解することによって、有害物質ができるケースがあることもわかってきています。
添加物はフードを守る働きのある物質もありますが、一方で健康に悪影響を与えるリスクもあります。
そのため人間の購入意欲をあげるためだけの添加物、食いつきを良くするためだけの添加物など、不必要な添加物はなるべく避けるのが無難です。
過去のペットフードによる数々の痛ましい事件やペットフード安全法の成立などの背景があり、犬の飼い主の意識も格段に向上し、ドッグフードも過去と比較して安心できる製品が増えてきています。
ただしドッグフードには人間が食用にしない原材料や添加物が使用されやすいため、つねに何らかのリスクがあることは覚えておきたい内容です。
価格が安いフードを犬に与えるときは体調・体質に合うかどうか、慎重にチェックする姿勢を忘れないようにしましょう。