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ドッグフードの栄養添加物(ビタミンK)

ビタミンKは血液凝固反応に欠かせない役割があるビタミンで、不足すると血液が凝固するのに時間がかかりやすくなります。

ただしビタミンKは腸内細菌によっても作られているため、胃腸が吸収不良を起こしていたり、血液凝固拮抗薬や抗生物質などを使用したりしていない限りは体内で十分量を合成することができるため欠乏症には陥りにくいと言われています。
そのためペットフードの栄養基準値として、総合栄養食の基準に採用されているAAFCOの基準ではビタミンKについての基準値は定められていません。

ちなみに日本では採用されていませんが、犬の栄養基準にはAAFCOの定める基準以外にも米国のNRCによる基準、欧州ペットフード工業会連合のFEDIAF基準があり、輸入フードの中には総合栄養食の基準にも基づきつつ、これらの基準に従って製造されている場合があります。

ビタミンKについて推奨量を定めているのが米国のNRC基準です。
そのため輸入フードではあえてビタミンKを添加している場合もあります。

ビタミンKを含む原材料について

ドッグフードに使われる食材の中ではアルファルファや魚粉、油粕などにビタミンKが豊富に含まれています。

日本のドッグフードではビタミンKは食べものから必ず取らなければならないビタミンに指定されていないため、フードには添加されていないことがあります。
食事からビタミンKをとらせたい時は、上記のようなビタミンKを含む原材料を使用したフードを選ぶと良いでしょう。

天然のビタミンKと合成ビタミンKについて

ビタミンKは天然由来のビタミンと合成とがあり、天然由来のビタミンKはフィロキノンとメナキノン、合成ビタミンKはメナジオンと言います。
メナジオンはフィロキノンに比べて3.3倍のビタミンK効力があるものの、脂溶性が低いため吸収不良になりやすいと言われています。

それぞれの特徴は以下の通りです。

・フィロキノン......
葉物の野菜、植物油、豆、海藻、魚介類に含まれている天然のビタミンKです。

・メナキノン......
微生物が作るビタミンKで腸内細菌でも作りだされますが、肉・卵・乳製品のような動物性食品や納豆やチーズなどの発酵食品にも多く含まれています。

・メナジノン......
合成で作られるビタミンKで、人間ではG6PD欠損症と呼ばれる遺伝子疾患を持つ人が摂取した場合の副作用が報告されており、アメリカでは人間用サプリメントとしての利用が禁止されています。
飼料やペットフードには少用量で添加されることがあります。

ビタミンKは健康な犬であれば体内で作りだすことができるため、特別添加する必要はありませんが、上記のように血液凝固拮抗薬や抗生物質などを使用している場合は食事からとらせてあげたい栄養素と言えます。
通院の際に獣医師へビタミンKを含むドッグフードについて相談してみると良いでしょう。

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