ドッグフードの着香料(フィッシュ系フレーバー)
フィッシュ系フレーバーは魚介類の加工工程で発生する煮汁を精製・乾燥させて製造されていることが多く、アミノ酸や旨み成分が豊富に含まれています。フィッシュ系フレーバーの成分について
魚の香気成分には様々な化合物が含まれており、フィッシュ系フレーバーに活用されることが多いかつお節には、およそ400成分以上の香気成分があると言われています。魚介類の香りや旨みを決定づける成分にはアミノ酸や旨み成分がありますが、どのような成分がフィッシュ系フレーバーに含まれているかは使用している魚介類の種類によって異なるようです。
魚の種類により異なるアミノ酸
赤身魚の場合はヒスチジンが多く含まれ、うま味成分が強い素材として有名なかつお節にもヒスチジンが多いことが知られています。またペットフードによく利用されることが多い血合い肉のエキスには、逆にヒスチジンが少なく、遊離アミノ酸であるタウリンが多く含まれていることが知られています。
フィッシュ系フレーバーの旨み成分
フィッシュ系フレーバーには魚介類の旨み成分も含まれています。魚の旨みを決定づける成分としてはグルタミン酸とイノシン酸、グリシンなどの成分があります。
それぞれの成分の特徴は以下の通りです。
・グルタミン酸......
非必須アミノ酸で動物の体内では神経伝達物質として働いています。
魚介類以外では昆布やシイタケ、発酵食品などにも豊富に含まれていますが、野菜や肉などの食品にも含まれていることが多い成分です。
化学的に合成された旨み調味料としてはグルタミン酸ナトリウムもよく知られていますが、現在は微生物によるアミノ酸発酵を利用してグルタミン酸が製造されています。
・イノシン酸......
かつお節に含まれているうま味成分として有名な成分です。
肉にも多く含まれています。
魚の中ではマグロやアジ、イワシ、サワラなどにも豊富に含まれており、乾物では煮干しにも多く含まれています。
・グリシン......
動物のコラーゲンに豊富に含まれている成分で甘みがあります。
グルタミン酸と同様、動物の体内では神経伝達物質としても働いている成分です。
グリシンは工業的に化学合成で製造することもでき、飼料添加物としてペットフードに添加されていることもあるようです。
フィッシュ系フレーバーはどちらかというとドッグフードより、魚を原材料に使用することが多いキャットフードによく利用される香料と言えます。
猫と同様、犬の食いつきも良くしてくれる効果があると思われますが、犬の食いつきが良いことと、フードと犬との相性は全く別だと考えるのがおすすめです。
香料を使用したフードを選ぶ場合は、使用していないフードよりもより慎重に犬の体調など、食いつき以外の部分をよく観察してより良いフードを選ぶようにしましょう。