犬種別ドッグフード(ヨークシャーテリア)の特徴
ヨークシャーテリアという犬種は他の犬種に比べて作出されてからの歴史が浅く、血統が不安定なことや、またチワワに次ぐ小さな体を持つことなどの理由によって、遺伝的な疾患を持っていることがあります。特にヨークシャーテリアでよく見られるのが、同じ小型犬のチワワもかかりやすい低血糖症です。
またその他には膝、骨や関節、脳、目、歯、呼吸器、消化器などに生まれつきの問題をかかえやすいことが知られています。
そのためヨークシャーテリア専用フードでは、骨や関節の健康維持、瞳の健康維持、歯の健康維持、お腹の健康維持などの目的でフードが作られていることがあります。
またヨークシャーテリアならではの美しい毛並みと艶を維持するため、被毛や皮膚の健康を意識して作られているフードもあります。
それぞれの目的ごとのフードの特徴は、以下の通りです。
骨や関節の健康維持タイプ
ヨークシャーテリアは体が小さく、他の小型犬種と同様、骨や関節に遺伝的な疾患を持つ子が多いと言われています。そのため他犬種用フードと同様、骨や関節の健康維持を目的とするフードの場合、グルコサミンとコンドロイチンという2つの成分が配合されていることがよくあります。
この2つの成分は骨や関節の健康維持に関心の高い方たちから注目を集めている成分で、サプリメントとして販売されていることもあります。
具体的に骨や関節の健康維持にどの程度の効果があるのか、まだはっきりとはわかっていないことも多い成分ではありますが、生まれつき骨や関節の弱い犬に与えられていることが多いようです。
瞳の健康維持タイプ
瞳の健康維持を目的にしたフードで、よく配合されているのが植物性の色素(ブルーベリー色素もしくはマリーゴールド色素)です。この成分も、どの程度瞳の健康維持に役立つのかはっきりしたことはわかっていませんが、瞳の健康維持に関心の高い方が日々の食事に、あるいはサプリメントとして取り入れていることが多い成分です。
ヨークシャーテリアは目の周りに長い毛が生えやすく、それが直接目に触れたり、かゆみで目をこすったり床にこすりつけたりなど、外部から刺激を加えることで角膜炎を起こしやすいことが知られています。
また遺伝的な目の疾患を持つ子もいます。
そのためヨークシャーテリアを飼育している方では瞳の健康維持に関心を持つことも多く、上記のような成分が専用フードに配合されていることがあります。
歯の健康維持タイプ
ヨークシャーテリアはあごが小さい割に歯は大きいことがあり、歯と歯の間が狭く、歯石が付着しやすかったり、歯周病になりやすかったりすることがあります。そのためヨークシャーテリア専用フードでは、よくフードを噛んで歯垢が落としやすくなるよう、フードの粒の形にこだわって仕上げられているフードがあります。
また最近ではミネラル成分とくっつきやすいことで知られる、ポリリン酸ナトリウムを歯垢の石灰化を防ぐ目的で配合しているフードもあります。
この成分は歯垢の石灰化には効果的だと言われていますが、体質に合わない可能性もあるため、愛犬の状態をよく観察しながら与えるようにしましょう。
お腹の健康維持タイプ
ヨークシャーテリア専用フードには、お腹の健康維持を目的に食物繊維やオリゴ糖、乳酸菌など腸内環境維持に役立つ食材や成分などが、消化器系に遺伝的な疾患を持つことのあるヨークシャーテリアのために配合されていることがあります。ただしこれらはあくまで健康なヨークシャーテリアの体を健やかに保つため、配合されている食材や成分です。
消化器系統に異常が出ている、もしくは不安がある場合は必ず獣医師に相談し、健康チェックとともに食事についても相談するようにしてみましょう。
またチワワと同様に、ヨークシャーテリアは体が小さいため、低血糖症状があらわれやすくあえて糖分を積極的に取り入れているフードもあります。
低血糖症状は食事と食事の間の時間が長い時や、活動量が増えた時、病気やストレスなどあらゆる原因で起こりやすいと言われています。
心配な症状があらわれたら、一日に与える量はそのままに食事回数を増やしたり、獣医師から低血糖症状があらわれた時に与える栄養補助食を用意したりすることを推奨される場合があるため、まずは獣医師に適切な対処法や食事について相談を行うようにしてみてください。