ドッグフードのふやかし方
消化器が未発達な子犬や、消化器が衰え始めた高齢・シニア犬、また下痢・嘔吐など消化器に異常がある犬では、ドッグフードをふやかしてから与えなければならないことがあります。また自分からあまり水を飲んでくれないとき、ドッグフードの早食いを防止したいときなどにも、ふやかしたドッグフードが役立つことがあります。
ドッグフードのふやかし方を覚えておき、いろいろなシーンで活用してみましょう。
ドッグフードのふやかし方
ドッグフードをふやかすときに加える水分は、状況に応じて温度を変えたり、水やスープなどの種類を使い分けたりするのがおすすめです。香りが強いとあまりフードを口にしてくれないときは、水でふやかします。
逆に香りが強いフードを好む犬の場合は、ぬるま湯やスープでフードをふやかしてあげ、香りを立たせてあげると食いつきが良くなることがあります。
犬の好みに応じて、ふやかす水の温度や種類を使い分けてみましょう。
栄養素をそのまま与えたいときは、低い温度の水分で
ドッグフードに含まれている栄養素の中には、熱を加えると壊れやすい成分(ビタミンCやビタミンB群など)も含まれています。そのためドッグフードに含まれている栄養素をなるべくそのまま残したいときは、水やぬるま湯、冷ましたスープなど温度の低い水分でふやかしてあげるのがおすすめです。
またふやかすと水溶性ビタミンが水に流れ込んでしまうため、使った水は残さずにフードと一緒に与えてあげます。
ふやかす時間はフードの種類によって変わる?
フードをふやかすのにかかる時間は大まかに15~30分程度ですが、ドッグフードの種類によってふやかす時間は変わります。水に入れるとすぐ溶けるフードもあれば、フードの形がなくなるまでに1時間以上かかるフードもあります。
ふやかす時間が短いフードの特徴
ふやかすのに時間がかからないフードは、「エクストルーダーによって発泡加工されたドッグフード」、「油脂でコーティングされていないフード」、「すでに砕いてあるフード」などです。エクストルーダーと呼ばれる機械を通し、高温高圧で発泡加工したドッグフードは粒の中に気泡を多く含んでおり、水分が浸透しやすいため早くふやけます。
また油脂コーティングされていないフード、すでに細かく粉砕してあるフードも水分が浸透しやすく、それだけふやかしやすくなります。
ふやかしにくいフードの特徴
一方でふやかしにくいのが「低温乾燥法で粒が発泡していないフード」、「油脂コーティングされたフード」などです。低温乾燥フードは粒に気泡を含んでいないため、発泡加工されたフードよりも水分が浸透しにくくなっています。
また油脂でコーティングされたフードも水をはじくため同様にふやけにくいです。
ただし上記のようにふやかしにくいフードでも、ドッグフード用ミルサーなどで細かく砕いておけばふやかしやすくなります。
また消化しやすいよう、あらかじめ粉状に加工してあるドッグフードなら、水分を足すだけで、すぐふやかすことができます。
ふやかす時間を短縮できれば栄養素の損失を防ぐことができ、飼い主さんの手間も減らせます。
今与えているフードがふやかしやすいタイプかそうでないかをまず把握して、必要ならひと手間を加えて、ふやかしてみましょう。
またふやかすのに熱湯や熱いスープを使用する場合は、必ず人肌程度に冷ましてから与えるようにします。
さらに、犬の消化器が未発達なときや衰えているときは、ドッグフードの芯までしっかりふやかしてあげないと消化不良になることがあります。
ドッグフードをふやかすときは、犬がより食べやすい方法でふやかしてからあげるようにしましょう。