ドッグフードの酸化防止剤(エトキシキン)
ドッグフードの酸化を防止するために添加されることがあるのが酸化防止剤のエトキシキンです。エトキシキンは食品添加物としては認められていませんが、飼料添加物としての使用は認められている合成添加物です。
エトキシキンのフード使用限度量について
エトキシキンを含む合成の酸化防止剤は、他の合成酸化防止剤(BHA、BHT)と合わせて、合計量としての使用上限量が定められています。ドッグフードに添加するエトキシキン+BHA+BHTの合計量は150ppm以下の使用となるように定められており、この内エトキシキンについては犬用フードに使用する場合、75ppm以下でなければならないことが定められています。
エトキシキンは犬の皮膚病や脱毛、甲状腺機能障害、腎臓疾患や生殖器官の障害、先天性疾患やがんなどに関わりがあると指摘されることがある添加物です。
犬に対して毒性が高く、犬はエトキシキンに対しての感受性が強いことから、エトキシキンについては使用限度量が定められています。
酸化防止剤のもう一つの役割
酸化防止剤には、フードの酸化を防止してくれる効果以外にも、遺伝毒性の高い有害物質・ニトロソ化合物が食品に生成されることを防ぐ効果も認められています。調理によってできるニトロソ化合物について
食べ物自体に害はなくても、加工・加熱・調理や添加物を加えることによって化学反応が起こり、強い有害性のある物質・ニトロソ化合物を作り出すことがあります。ニトロソ化合物の中で有名なのが、発がん物質といわれているニトロソアミンです。
酸化防止剤による、ニトロソ化合物の生成抑制
保存料として添加されることがある亜硝酸ナトリウムは、肉や魚介類に含まれる化合物・アミン類が加工・加熱・調理によって反応を起こし、ニトロソ化合物を生成することがあります。エトキシキンは、この加工・加熱・調理によってできるニトロソ化合物の生成を抑制する働きがあります。
この働きはエトキシキンだけでなく、酸化防止剤として知られるビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンE、没食子酸プロピルなどにも同様の効果があると言われています。
ただしエトキシキンは発がん性や犬の疾患に関わりが深いと指摘されることがあるため、酸化防止剤による有害物質生成抑制の効果を期待するなら、ビタミンCやEによって酸化防止を行っているフードを選ぶのがおすすめといえます。
エトキシキンはほとんどのフードやおやつで見かけなくなっている
エトキシキンは発がん性の恐れがあると指摘されていることから、現在ドッグフードではあまり見かけなくなってきている酸化防止剤です。また犬用おやつなどの、食べ終わるまでに時間がかかり、開封後の保存期間が長いと予想される商品については、酸化防止への配慮が一層必要になることからエトキシキンが使用されていることがありましたが、これも最近では見かけなくなっています。
そのためエトキシキンについて心配する必要は少なくなってきていますが、今後使用されているフードやおやつが出てくる可能性もあるため、もしも使用されていた場合は上記を参考にし、与えた後であれば犬の体調に変化や問題がないかどうかしっかりと確認するようにしましょう。