ドッグフードの素材(ナマズ)
低アレルゲン食材として、ドッグフードに近年取り入れられることが増えてきたのがナマズです。ナマズは日本ではあまり食卓にのぼることがなく、地域の名産品やお土産物などで見かけることしかありませんが、海外ではフライやソテー、ムニエルなどにして日常的に食べているところもあったり、アメリカでは低カロリーのヘルシーな食材として人気を集めていたりするようです。
またドッグフードでもナマズは低アレルゲン・低カロリーな食材として、一部のプレミアムフードや犬用おやつに使用されていることがあります。
ナマズの特徴は、以下の通りです。
ナマズに含まれている脂肪酸について
ナマズは白身魚ですが、同じ白身魚のタラより脂質が多いのが特徴で、脂質の少ない種類の鮭・サーモンと同じ位の脂質が含まれています。脂肪酸の種類の中では一価不飽和脂肪酸が多く、中でも脂質代謝に役立つと言われるパルミトレイン酸が豊富です。
同様の効果で注目を集めるイコセン酸やドコセン酸も多く含まれています。
オメガ3系の多価不飽和脂肪酸も豊富でDHA・EPAも多く、主に植物からとれることの多いαリノレン酸もナマズには多く含まれています。
またナマズに含まれる脂肪酸で特徴的なのが、オメガ6系のリノール酸・アラキドン酸が豊富なところです。
オメガ6系の脂肪酸は健康な体の組織を作るための重要な栄養素ですが、最近ではとりすぎによる注意が必要とされている脂肪酸です。
そのためオメガ6系脂肪酸が多いナマズを常食することについて、脂肪酸のバランスが偏るのではないかと危惧している専門家もいるようです。
ただしナマズにはオメガ3系も6系も豊富に含まれているため、他の食材と合わせることで脂肪酸のバランスを取りやすくなる食材と言えます。
ナマズのオメガ6系の多さが気になる場合は、オメガ3系の多い食材を別に加えてあるドッグフードを選ぶと良いかもしれません。
ナマズに含まれているビタミンについて
ナマズには皮膚や粘膜、目の健康維持に効果的なビタミンAと抗酸化作用のあるビタミンE、エネルギーを作り疲労回復を助けるビタミンB1が豊富に含まれています。ナマズは現在の日本ではあまり身近な食材ではなくなってしまいましたが、昔は滋養強壮に良い食べものや、産後の母乳の出が良くなる食べものとして珍重されてきた魚です。
そのため最近ではナマズを食用魚としてもう一度見直してみようという動きもあり、同じく滋養強壮に効果が高いと言われるウナギの代用品として、ナマズが注目され始めてきています。
ナマズには脂質はもちろん、健康な体を維持するために必要なビタミンも含まれているため日本でも海外でもヘルシーな食材として近年注目を集めています。
ナマズは日常の食用としても、ドッグフードに使われる食材としてもあまりなじみがなく、栄養素の面でもまだはっきりとはわかっていない部分がたくさんあります。
そのため常食した場合の影響については未知数な部分も多いですが、上記のようにナマズには脂質やビタミンなど取り入れるべき栄養素も多いため、犬との相性を確かめながらまずは試してみると良いかもしれません。