無添加のドッグフードを食べないときは
ドッグフードには不飽和脂肪酸など酸化しやすい油脂が多く含まれているため、無添加フードは油脂の酸化によって味や臭いに変化が起こることがあります。ドッグフードが酸化すると、その味や臭いの変化によってフードの食いつきが悪くなるだけでなく、栄養素が壊れやすくなったり、有害物質が作られやすくなったりしてしまいます。
そのため無添加ドッグフードといっても完全無添加タイプよりは、酸化防止剤のみ配合してあるフードのほうが、食いつきがよく安心なケースがあります。
また完全に無添加であることにこだわる場合は、密閉性の高いパッケージに一食分ずつ小分けされているような保存性の高いドッグフードを選ぶのもおすすめです。
無添加のドッグフードを食べてくれない時は、酸化・劣化によって犬がフードを「危険な食べ物だ」と判断している可能性があるため、保存方法をもう一度見直してみて、保存性に問題がない場合は、以下の点に問題がないか注意してみましょう。
肉の使用量はどのくらい?
無添加のドッグフードは比較的高価な商品が多いため、動物性食材をふんだんに使用しているとついイメージしてしまう方も多いかもしれません。ただし無添加ドッグフードの中にはアレルギーを持つ犬に配慮し肉を使用せず、魚や植物性タンパク質のみを使用していたりすることがあります。
犬は基本的に脂質の多い動物性食材を好みます。
無添加フードの食いつきが悪いようであれば、タンパク質源としてどのような食材を使用しているか確認してみましょう。
酸味や苦味のある食材が含まれている
犬は甘味に対してもっとも感受性が強く、次いで酸味に反応しやすいという特徴があります。また塩味は比較的鈍く、苦味に対してはほとんど気にしていないと考えられています。
ただし苦味は毒物を食べたときに感じる味で、犬は苦味を感じると食べたものを吐き出すことがあります。
また酸味は腐敗した食べものを食べたときによく感じるため、酸味のある食べ物を嫌う犬も多数います。
苦味を感じる食材や成分には魚の内臓、パセリ、柑橘類の果皮、マグネシウムやにがり、ホップ、ウリ科やアブラナ科の植物に含まれるククルビタシン、植物のアルカロイドなどがあります。
また酸味を感じる食材や成分には柑橘類やトマト、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、ビタミンCなどがあります。
犬は人間よりも味覚は鈍感ですが、苦味や酸味のある食べ物は避けることが多いため、食いつきが悪いときはドッグフードの内容をもう一度見直してみましょう。
犬が嫌いな香りがする
ドッグフードの匂いは犬のフードの好き嫌いを決める重要な要素です。犬は腐敗臭には寛容なところがありますが、酸っぱい匂いや化学的な複雑な香りは嫌う傾向があります。
また香りが変化すると危険だと判断し、警戒して食べなくなってしまうこともあります。
犬が好きなのは脂溶性の香り成分で、これは脂質の多いフードほど多いため、犬も脂質の多いフードを好む傾向があります。
ただし脂質の多いフードは酸化の影響を受けやすく、香りもまた変化しやすいため、無添加フードの香りを維持するには徹底した管理が必要です。
そのため開封後は密閉性の高い容器に移し替えて、涼しく日当たりの少ない場所で保存を行うようにしましょう。
また最初から小分けパックにされているフードなら、香りも変化しづらく保存もかんたんで便利です。
犬がドッグフードを食べないときは、フードそのものの問題というよりも体調に問題がある可能性もあります。
ドッグフードの内容や保管方法にも問題がなく、それでも犬が食べてくれないときは念のため獣医師などに相談し、体調も確認してもらうようにしましょう。